働きの良い血が足りない「血虚」体質
働きのよい血液が体の隅々まで十分に行きわたらなければ端々で栄養不足となり支障が起こります。
体の冷えや生理痛、生理不順、更年期障害など女性は血の道で悩まされることが多いのですが、まず血虚症状がないかチェックしてみてください。男性も血虚症状を起こすこともあります。
血虚体質チェック
栄養作用の低下
・唇の色や舌の色がうすい、顔色が白っぽい、青白い、艶がない
・クラクラするめまい、立ちくらみ、疲れやすい
・爪に血色がない、爪がもろく割れやすい
・月経不順（周期が長引く）、無月経、月経量が少ない、月経の色が淡い
・不妊、流産しやすい
・手足のしびれや知覚麻痺、ひきつる
滋潤作用の低下、血燥症状
・皮膚がかさつく、つやがない、かゆみ
・口が渇きやすいがたくさん飲めない
・大便がカサカサコロコロして出ずらい
・フケが多い、脱毛、髪にツヤがない
・眼が疲れやすい
神志の栄養不能
・不眠、眠りが浅い、夢をよく見る、不安感
漢方対策
四物湯（当帰、芍薬、川キュウ、地黄）を基本処方として婦宝当帰膠や十全大浦湯をはじめとし、活血作用を持たせたキュウ帰調血飲第一加減、温経湯、当帰芍薬散などもあります。さらに症状に応じて補気剤や理気剤などと組み合わせることもあります。コツコツ服用を続けると、顔色がよくなったり爪や髪がつややかになってくることでしょう。
ふだんの食事も栄養バランスを考慮した内容で養生を重ねてください。
（附）当帰（とうき）とはセリ科の植物 Angelica sinensis Diels の根
効能
①補血調経：顔色につやがない、頭のふらつき、めまい、目がかすむ、動悸、月経不順、月経痛、冷え性などに
②活血行気、止痛：血流と気の流れをよくして、生理痛などの腹痛を和らげる
打撲外傷による脹れや痛み、慢性のしびれや痛みにも
③潤脹通便：便秘体質に
月経過多、月経過少、異常出血、無月経、不妊症、流産など子宮の機能調整をしてくれるので、婦人科の主薬として最も多く用いられる生薬のひとつ
ここに紹介する情報はごく一部です。お近くに漢方相談をしてくれる薬局や医院があれば、是非じっくり相談して自分のタイプを判定してから用いる漢方薬を決めてください
